使える薬が減っていく 再発・ 転移したがんの治療で目指すのは、多くの場合、初回の治療とは異なる。 治療の目標には「がんを治す(根治)」「がんの進行を抑える」「がんによる症状を和らげる(緩和)」ことがあげられる。 初回の治療では、多くはがんが臓器の中にとどまっているので、根治を目標にして治療を行う。再発や転移したがんの場合でも根治を目指すことができる場合もあるが、ほとんどの場合は困難で、「進行を抑える」か「緩和」が治療の目標になる。 千恵が再発・転移したとき、当時の主治医は「がんが全身に散らばっている可能性があり、手術はやっても意味がない。抗がん剤が有効」と言った。 しかし、長い期間、抗がん剤が…