// 「メニューは2種類。そのテーブルの上の板の裏と表に1種類ずつ書かれているから選んでくれ。」 おじいさんの言っていることは半分くらいしか聞き取れなかったんだけど、3回聞いてそういうニュアンスだと理解した。 1回目は全く理解することもできなかった。 2回目はメニュー表を割り箸で指し示したおじいさんから、その割り箸を奪いとってポカンとするしかなかった。完全にダメな子だ、僕は。 …メニューは2種類! 上等じゃねーか! そもそも人生において選択肢なんてそんなにねーんだよ! 大事なことは、いつだって二者択一だ。 やるのかやらねーのか! のるかそるか! 裏か表か! 進学か就職か! ビアンカかフローラか…