このアジア雑語林446話に、鶴見良行の座談・対談集『歩きながら考える』(太田出版、2005)を読んで、こういうことを書いている。 この対談・座談会集でもっとも古いものは、1972年の加藤祐三との対談「歩きながらアジアを考える」だ。そのなかの加藤の発言に、頭の中の電球が点った。 「服飾雑誌『装苑』、必ず英文と中国文と両方で説明がついて、本屋にある。これは日本で唯一国際性を持った商業ジャーナリストですね」 そうだった。香港や東南アジアの本屋に行くと、「装苑」やたぶん「ドレスメーキング」も雑誌コーナーに置いてあって、立ち読みしている人もいてびっくりしたことがある。洋裁雑誌は、日本語の文章が読めなくて…