(本書のほかに、『死のとがめ』、『死のジョーカー』の真相を明かしています。他のブレイク作品の内容にも、おまけにエラリイ・クイーンの中編小説、J・D・カーとE・D・ビガーズの長編小説にも言及しているので、ご注意ください。) 2014年に刊行された本書『死の翌朝』(1966年)[i]をもって、ニコラス・ブレイクの全長編の翻訳が完了した。そんなにいるとは思えないけど、遅ればせながら、おめでとう、ブレイク・ファンの皆さん。私もその一人です。最初が『野獣死すべし』で1954年だったらしいので[ii]、60年かかって20冊の完全制覇が実現したことになる。 本書は、色々と注目すべき点があるが、そのひとつは舞…