ニナ・バーリーの神々の捏造 イエスの弟をめぐる「世紀の事件」 (原題 Unholy Business)を読んだ。西洋の古美術・骨董の世界(とくに宗教に関係するようなものは)は何か常人では理解不能なもののように感じていたが、本書を読んでその気持ちが強くなった。本書はサブタイトルにもあるようにイエスの弟に関わる遺物に関係する事件だ。まず第一に、イエスに弟がいた(という伝承)があったことを知らなかったので、その点に興味をかきたてられ、本書を読み始めた。このイエスの弟に関しても本書を読むと、その存在を信じている人たちがいるというだけで、広く認めたれているものではないらしい。だが、重要なのは信じている人…