日本ではそれほど十全に紹介されていないクリップ理論(身体的・認知的インペアメント、ディスアビリティの解釈、分析を通して、健常性規範に挑戦する枠組み)の中で、とりわけ、ニューロクィア(neuroqueer)という概念は、じわじわと、確実に広がっている。 そもそもクリップ理論のなかで、身体的なインペアメントやディスアビリティが注目されてきた、という歴史がある。そのなかで認知的インペアメント、ディスアビリティ、すなわち、自閉症やADHD、LDなどを始めとするあり様について人文学的、クィア理論的解釈はまだ十分に試みられているとは言えないようだ。 その中で、ニック・ウォーカーは認知的インペアメント、ディ…