母が入院してからは、面会のできる金曜に帰省している。 翌土曜日、実家から駅まで乗ったバスが、お祭りの演出をしていた。 乗車ドアの向かいに飾られたたくさんのかざぐるまは、ドアが開く度に勢い良く回る。カーブの度に風鈴がカラコロなって耳に心地よかった。 誰かのアイデアは、きっと手間やメンテナンスの問題で賛否あったかもしれないし、通勤でイライラした乗客がいたら、お祭り気分に余計イラつくかもしれない….と思いつつ。 気温35℃の中、焼けたアスファルトを渡ってバス停に着いた私には、一服の清涼剤のように感じられた。 月1回の帰省では、岡山に着いたその足で病院の母に面会に行き、翌日は朝から台所に立ち、父のため…