★1 的屋(てきや)の元締め(親分)の孫の勇吉の存在「oldboy-elegyくん、おられますか~」と玄関のガラス格子戸の向こうに男の声が聞こえた。的屋(てきや)の親分の孫の勇吉なのが、その声音(こわね)で分かったが、同時に「何故?家に」の疑問もあった。それほど稀有な事なのである。彼とは同じ中学校の同学年でクラス違いの間柄である。 傷軟膏(ガマの油)売りの的屋さんである。こうして刀を抜いたところは、ついぞ見なかった。ただし、彼、小学校からの「べったん・メンコ」仲間で、いろいろ面倒もかけた。数えると、結構長い付き合いになる。 親友かと言われるとチョット?だが、頼れる?友人である事には、変わりがな…