木造住宅 その2 角材で建てたように見える家はどのように建てたのか。その謎は、すぐに解けた。古ぼけて、家の壁が壊れかかっているところを観察すると、丸太を積んだのではなく、板張りだ。こういうのを、下見板張りという。 下見板に注目して、証拠写真を撮った。 そういう建築用語は、『日本の近代建築』(藤森照信、岩波新書、1993)を何度も読んだのでよく覚えている。その部分を引用する。 「ここで課題となるのはヨーロッパ系の板張りの中の水平に張るタイプで、下見板張りといい、板そのものは下見板という。板の継ぎ合せ方から二つに分かれ、一つは上の板の端と下の板の端を半分ずつ切り欠き突き合わせて継ぐやり方で、ドイツ…