にほんブログ村 《パラダイスを見つけた男》 ある村に、 粉屋の男が 住んでいた。 妻と二人の子供がいて、 来る日も来る日も 一日中 粉まみれになって 働いていた。 そんな日々の繰り返しに 嫌気がさし、 もっと楽しい パラダイスが あるのではないかと、 粉屋は考えた。 ある時、 粉を買った客と 雑談をしていると、 「旅に出て、 夜、 靴を枕元に置いて眠り、 翌朝、 その靴が 向いている方向に歩くと パラダイスがある」 という言い伝えが 異国にあると 聞いた。 粉屋は、 その言い伝えが 本当のことのように 思えてならなかった。 「パラダイスを 探してみよう」 そう思った男は、 ある日 突然、 妻に…