https://amzn.to/40Dv7py 『パンデミックとアート』 椹木野衣 この書籍は美術批評家である著者が、新聞の連載として、アートの視点からコロナ禍を記した記録でもあり、その時々に、先もわからない状況での文章のためか、緊迫感のようなものが今も残っている。 例えば、2020年3月27日の文章。 新型コロナウイルス対策として安倍首相による不要不急の催しへの自粛要請が発せられると、翌日以降、国立の博物館からポツリポツリと閉まり始め、次第にそれが国立の美術館に及ぶと、そこからは五月雨式に公立、私立を問わず展覧会が期間限定で閉まり始めた。最初は期間限定であったものが再度延期され、なかには途中…