小さな喜びをその掌に握りしめながら 暗い道を駆け抜けていく。 頬を染めて息を切らし 力一杯走り抜けたら そこに広がるのは見たこともないぐらいの大世界。 小さな体 か弱い腕。 こんなにも幼気な存在のどこに こんな力があるのだろう。 魔の森の囁きを振り切って 躓き転げた傷を物ともせずに ただ前へ前へ。 どれ程己が眩しい輝きに満ちているのか あなたは知らない。