クローゼットをあさっていると、見慣れないジーンズが出てきた。ほとんどウォッシュされていない。とりあえず履いてみると、これが、なかなか泣けるシルエットだ。腰から腿のあたりがゆったりしていて、裾に向かうラインがシェープしている。リーバイスは、今から45年前、高校生のときから履いている。古着屋が珍しかった当時、青山に胡散臭げな(入るのにためらうような)古着屋があった。らせん階段を上がると、インド線香の匂いがする。高校生の時、夏休みになるといっていた鎌倉の「ギルド」(今はあるのだろうか?)と同じ匂いだ。そこには、当時、どこにも売っていなかったボタンフロントのリーバイス501の古着があった。たしか、情報…