古代ギリシアというと軍役の義務を負った市民軍ということがよく言われています。しかしポリス世界においても傭兵を使うと言うことが徐々に見られるようになります。そんなポリス世界の覇権を握ったマケドニアでは職業軍人的な者たちがいたことがしられています。そして後継者戦争を経てヘレニズム世界が成立しますが、そこでは職業的な兵士(傭兵とは限らない)が多く用いられるようになっているといわれています。 義務として市民を動員して編成する徴兵のような軍隊から、自らの意思で軍に入り給与を受け取る兵士からなる軍への変化が起きたとき、自発的に労働力を売る「賃金労働者」としての兵士の登場が労働市場を生み出したのではないか、…