封切り三日目。 席数191の【CINE10】の入りは二割ほど。 物語の舞台はフランスであり、「里親」の制度や考え方は違っていても『是枝裕和』だったらどのように撮ったかを考えずにはいられない。 彼の好きそうな、家族のしかも血の繋がらない関係性をどのように料理したろうかと。 『ドリス』と『アンナ』夫妻は二人の実子に加え、一人の「里子」幼い『シモン』を養育している。 国からの報酬は出ているようだが、「里子」には独立した一部屋を与えねばならぬ、との規則はあるよう。 それが家族内にさざ波を立てたりはするものの、関係は概ね良好。 とりわけ『アンナ』は『シモン』を自身の子供同様、いや、傍目にはそれ以上に溺愛…