「自由がなければ繁栄もない」そう信じて戦った経済学者がいます。彼の名はフリードリヒ・ハイエク(Friedrich Hayek)。20世紀の自由主義経済思想をけん引した、まさに“知の巨人”です。 ◆ オーストリアに生まれた経済哲学者 ハイエクは1899年5月8日、オーストリア・ウィーンに生まれました。第一次世界大戦に従軍した後、ウィーン大学で法律と政治経済を学び、やがて経済学者として頭角を現します。 彼の思想の中心にあったのは、「自由市場こそが個人の尊厳を守る最良の手段」という信念でした。 ◆ 社会主義に警鐘を鳴らした『隷属への道』 1944年、ハイエクが発表した『隷属への道(The Road …