いきなりあまり馴染みのない「フレドホルムの交代定理」とか言われると何のことかと思うかもしれないが、これは連立方程式が一意に解けたり不定な解をもつ場合を場合分けする話である。 中学校で習う1次方程式 3x=2 の解はx=2/3 である。それでは、文字にしてax=bのときはどうであろう。その解をx=b/aとしてはいけない! これはaがゼロでない場合のみ正しい。a=0の場合は更に場合分けされて、(i) b=0のとき、解は不定(なんでもよい)、(ii) b\not=0のとき、解なし(不能)である。 n元連立方程式 Ax=b、 (簡単のため、Aはn次の対称な正方行列とする、x, bはそれぞれ未知、既知の…