ダルタニャン色ざんげ:小西茂也 1950年(昭25)河出書房刊。 1955年(昭30)河出書房、河出新書32 作者のガティアン・ド・クルティル・ド・サンドラス(Gatien de Courtilz de Sandras, 1644~1712)は、ブルボン王朝時代のフランスの軍人であり、文筆家であった。この作品は『三銃士』の種本となったことをアレクサンドル・デュマもその序文で明言しているが、その種本の中にすでにアトス、ポルトス、アラミスが登場していたのを知って現実味のある懐かしさを感じた。しかし三人の性格の違いや個性を彫り上げたのはやはりデュマの文才だったのがわかる。サンドラスは「ダルタニャンの…