ミラノの一角にあるブレラ絵画館は、力みのない、いい意味でリラックスした美術館である。 とんでもなく重要な作品、例えばマンテーニャの『死せるキリスト』(一枚目の写真)や、21歳のラファエロが描いた傑作『聖母マリアの結婚』(下)などが揃っているのだが。 ミラノは、イタリアの他の華麗な都市、たとえばヴェネツィアやフィレンツェなどが観光に大きく依存している一方で、いまも現在進行形で「都市」として稼働しているからだと思う。 金融、ファッション、デザイン、出版、見本市、大学、工業、サービス業がまだ都市経済の中心にあるのがミラノだ。 だから、ミラノの時間は、過去の「展示物」になりきらず、日常的な時間になりえ…