「ヴンダーチームの悲劇」 卓越した戦術眼を持ち、強力なシュートと高いテクニックで得点を重ねていったCF。エレガントなプレースタイルで観客を魅了し、細身の身体でDFの間をスルリと抜けていく様子から「紙の男」のニックネームで呼ばれた。その活躍で今なおオーストリア史上最高の選手と言われるのが、マティアス・シンデラー( Matthias Sindeler )だ。 ウィーンのヘルタで才能を開花し、名門FKアウストリアへ移籍。チームの主力として2度のミトローパ・カップ(中央ヨーロッパ杯)優勝を果たすなど、クラブの黄金期を築く。「ヴンダーチーム(驚異のチーム)」と呼ばれ恐れられたオーストリア代表でも、中心的…