人々ははるか昔からどこかに「住処」を構え日々を過ごしていた。 これは今も当然のことであり、将来も変わらないはずである。 さて、そんなあまりにも身近どころか至近ともいえる「住居」であるが、 実は「住宅地」という概念が人々から意識されるようになったのは、産業革命が起きた頃であり、比較的最近のことだ。 前近代では、人々は職場の近傍あるいは同一の建物で私生活も送っていたと言われると、確かにイメージが湧く。 昔の鉱山などはその典型であり、もう少し身近な例を挙げると、歴史の長い商店街に立ち並ぶ【1階:商店,2階:居住スペース】という構造の建物も職住一体である。 遡ること弥生時代、農耕を覚えた日本人は作物を…