夕刻、郵便屋さんがやって来ました。そう、ゆうパックの配達です。宛名を見れば、嫁宛です。でも、小さな箱にしては、中身が重いです。 なんじゃこりゃと、思い返しても、手で持ったくらいで中身は分かりません。それじゃ、私の見聞力の覇気で、中身を見ると、何かやら袋物らしいです。それならと、鼻で匂いを嗅いでみると、中身は分かりません。松竹新喜劇の藤山寛美さんの「鼻の六兵衛」でじゃないですからね。 鼻の六兵衛と言えば、城下の将軍家拝領の旗指物の旗を紛失して、それを六兵衛の鼻の嗅覚で探そうと言う、荒唐無稽な芝居です。挙句に、見つけた旗の褒美として、兼光の短刀を拝領して、その銘まで当てるのかと言えば、竹光と金光は…