かなり昔のことですが、青春小説の旗手(と私は思っています)だった窪田僚さん。 代表作「ヘッドフォンララバイ」は、当時の私の思い込みをぶち破るインパクトを持っていました。 ヘッドフォン・ララバイ―公園通りの青春 (1981年) (集英社文庫―コバルトシリーズ) 「短文」、「頻繁な改行」が珍しかった時代の型破りな小説 今でこそ「1文ごとの改行」が多い小説なんて当たり前ですが、当時私が普通に読んでいた作品群では、セリフ以外で一文ごとに改行するなんて、『詩』ぐらいのものでした。 ヘッドフォンララバイでは、風景だけでなく、心の情景を描くような感じで、断片のように短文が1行掲載されている。 なんといっても…