著: 玉樹真一郎生まれてから高校卒業までの18年。それから東京に出て、Uターンで帰って来てからの13年。合計31年在住、46歳のわたしが八戸で出会ったお話をご紹介します。1 出航式 カメラを持って正月の海辺を散歩していたら、出航式に出くわした。 家はおろか陸地からも離れ、海の真ん中で数カ月は暮らすことになる漁師たちと、見送るご家族やメカニックたち。普段は口げんかばかりしているような家族でも、いざお別れという場面になると、きっとお互いのことを大切に思うだろう。そんな気持ちがカタチになって現れたかのような色とりどりの紙テープが、冷たい海の上にたなびいていた。 企画のお仕事で八戸市民にインタビューを…