《デュルケイムは19世紀後半のフランス人で、社会学の祖というべき人である。 彼は人間にとって、また社会にとって、連帯感がいかに重要であるかという学説を展開した。 人間の連帯感のもっとも基礎となるのは家族である。家族の連帯感が親族に及び、地域に及び、さらには国の連帯感になるのである。 デュルケイムはさらに、連帯感を喪失したらどういうことになるかを考察した。連帯感を喪失すると、人は医学的には精神障害がなくても、精神障害者よりも恐ろしいことを平気でやるようになると説いた。この状態をアノミーという。 アノミーは元来は英語で「神の掟を無視すること」の意味で使われていたが、1897年にデュルケイムが『自罪…