U-Nextでアリ・アッバシ監督『ボーダー 二つの世界』を見た。 border-movie.jp 新作の『聖地には蜘蛛が巣を張る』を見て興味を持った。監督はもともとイラン出身でスウェーデンに移り住んだらしい。新作がイランの現実に向き合ったものであるのに対して、ボーダーはスウェーデンの映画っぽいというか、ヨアヒム・トリアーの『テルマ』でも感じたあの感じ、対象を人間ではなく何かの物体としてじとっと観察しているような視点、本質的に上からの目線、みたいなものを感じた。 これはヨーロッパの端に位置する小国の高水準の映画に見られる気がする。リューベン・オストルンドや、ヨルゴス・ランティモスにも近いものを感…