1920年代から1930年代にかけて登場した「マスメディア強力効果説」に対して、1940年代にラザーズフェルドやクラッパーによって提唱された、「マスメディアは人々にごく限定的な影響しか与えていない」とする仮説。代表的なものに、ラザーズフェルドの「2段階の流れ仮説」がある。
マスメディアが限定的な効果しか持たない理由としては、受け手はマスメディアに対して選択的に接触できることがあげられている。人はあらかじめ持っている態度、意見、関心などの先有傾向のもとに、それを支持するようなメディアに選択的接触を行う、というモデルであるが、これを直接的に支持するデータは乏しい、とされる。
現在のマスメディアの効果研究では、より長期的な影響に注目した「議題設定効果」や「沈黙の螺旋理論」などの、新しいマスメディア強力効果説が中心となってきている。
参照:社会心理学小辞典(有斐閣)