Marianne Moore (1887-1972) アメリカの女流詩人。全189篇の内125篇を自選『完全詩集』に収める。同じアメリカの女流詩人であるエリザベス・ビショップとは親交が深く、互いに影響を受け合っている。 あの沼地はどうにも渡れそうにない と、あなたがもしそういうのなら わたしはわたしでどうしたら 渡れるか、やってみるしかない。 −「進歩」
【今日のおすすめの本】(対象…大人) 『平行植物』 レオ・レオーニ 作 宮本淳 訳 工作舎 芽吹きの季節。植物が生き生きし始め、心地よい気分になります。 この時期に読みたくなるのが、スイミーやフレデリックでお馴染みのレオ・レオニ氏による、幻想の庭・想像の山野に繁茂する数奇な植物たちの博物誌『平行植物』です。 幻想の庭・想像の山野……つまり、これはレオ・レオニ氏がでたらめに作った実際には存在しない想像上の植物について、リアルな挿絵とともにものすごく真面目に解説している、世にも奇妙な学術書なのです。 〈目次〉 平行植物図版集成はじめにーレオ・レオーニ主要平行植物一覧表 第1章平行植物とはなにか第2…
『雨の言葉:ローゼ・アウスレンダー詩集』詩人ローゼ・アウスレンダーを知ったのは、日経新聞連載コラム「詩探しの旅」でした。詩人の四元康祐が、母語を使えなかった詩人として紹介していたのです。ウィキペディアをみると項目はあるもののごくわずかで出典もありませんでしたので、英語版から翻訳して加筆してみました。アウスレンダーは1901年にオーストリア=ハンガリー帝国のチェルノヴィッツで、ドイツ語を話すユダヤ人家庭に生まれました。長じてアメリカに渡り、英語とドイツ語で詩を書いていました。しかし病気の母親の世話のために帰国し、米国と行き来しているうちにナチス・ドイツの時代となり、強制収容所行きは免れたものの凄…