聴涛弘氏の「マルクスの『生産力』概念を捉えなおす」のつづきです。 史的唯物論について、「エンゲルスの忠告」というのを聴涛氏が紹介していて面白い。 「『われわれの史観は、なによりもまず研究にさいしての手引き』であって『歴史全体が新たに研究されなければならず、さまざまな社会構成体の存続条件が一つひとつ探究されなければならぬであって、‥‥この間では、これまでほんのわずかのことしかなされていません」という。そのうえで、われわれのこの面では、『多大な手助け』が必要なのであって『史的唯物論というきまり文句を使って、もっぱら自分自身の比較的貧弱な歴史的知識を大急ぎで体系化』するようなことをしてはならないと警…