封切り四日目。 席数158の【SCREEN3】の入りは七割ほど。 寡作にもほどがある。本作は実に三十一年ぶりの新作。 監督の『ビクトル・エリセ』は1967年から五十六年間の活動歴で撮った長編は僅かに四本。 そのうち一本は{ドキュメンタリー}なのを勘案すればもう呆れるほかはない。 もっとも、先の二本〔ミツバチのささやき〕〔エル・スール (1982年)〕は何れも佳作なのだが。 本作は映画〔別れのまなざし〕の撮影場面から始まる。監督の『ミゲル(マノロ・ソロ)』にとっては二本目の長編。 しかし旧友であり主演俳優の『フリオ(ホセ・コロナド)』が突然に失踪したことから頓挫、作品は未完に。 それから二十有余…