その夜、オーロ・プレートのホテルにて長旅の疲れをいやすべくスヤスヤと眠っていたところ、すさまじい騒音で突然目が覚めました。どうやら近くの広場で深夜ライブをやっていて、夜も昼も関係ないと言わんばかりに張り裂けるような声で歌うボーカルの歌声が夜の闇を引き裂き山中を貫いて町中を覆い、その騒音は窓をもビリビリ言わしめているのです。きっと野山に住む動物たちも、早く就寝した子供やお年寄りも、気の毒ですが一斉に目を覚ましたことでしょう。町全体を血管のように張り巡らす心臓破りの坂道といい、祭りの加減というものを知らない深夜の狂ったバンドといい、つくづくこの町はお年寄りが住むには不都合しかないと確信しました。脳…