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ムンプス難聴

(サイエンス)
むんぷすなんちょう

おたふく風邪(流行性耳下腺炎)のウイルスである「ムンプスウイルス」に感染した際の合併症の症状。片耳を完全に失聴する(一側性難聴になる)ケースが多い。耳鳴りやめまいを伴うこともある。現時点では有効な治療法は存在しない。

おたふく風邪はせきやくしゃみ、接触によってムンプスウイルスに感染して発症する。耳下腺が腫れる、高熱が出るなどの症状を伴う。未就学児〜児童の場合、おたふく風邪にかかる、またはムンプスウイルスに感染しても症状が出ない状態の際に、合併症として「一側性高度感音難聴(または一側ろう)」が引き起こされることがある。

おたふく風邪の予防接種は任意であるため、ワクチンの接種率が低い状況が続いている。国の機関などは、流行性耳下腺炎の流行に伴うムンプス難聴発症の全国実態調査を実施するほか、予防のため、ワクチンの接種を呼び掛けている。

ムンプス(おたふく風邪)は後遺症として高度の難聴を引き起こす可能性があり、ムンプスワクチンが法定接種となっていないわが国ではこのムンプス難聴、ムンプス聾が多く発生しています。また、ワクチンを接種していてもムンプスにかかる人もいます。九州大学医学部ウイルス学教室で研究をしている久保田医師、上尾医師はこのムンプスウイルスがヒトの細胞に感染するときに「入り口」として使う糖鎖(受容体)構造を特定しました。現在は、なぜムンプス難聴が起こるのかというメカニズムに着目し、ムンプスの後遺症を防ぐ薬の開発やワクチンの改良のための研究をしています。

聴覚生理研究室 研究グループ | 九州大学大学院医学研究院 耳鼻咽喉科学教室 / 九州大学病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科

おたふく風邪のワクチン接種の歴史

わが国では1981年より国産おたふくかぜワクチンが任意の予防接種として使用されている。1989年には, 麻しんワクチンの定期接種時にMMRワクチンを選択することが可能となったが, ワクチン接種後の無菌性髄膜炎等の問題があり, 1993年に国産MMRワクチンの定期接種は中止された。

おたふくかぜワクチンはその後, 単独の任意接種ワクチンとして利用されているが, 第7回感染症分科会予防接種部会における, 予防接種法の対象となる疾病ワクチンの検討において, おたふくかぜワクチンも検討されることとなり, 2012年5月に厚生科学審議会感染症分科会予防接種部会がとりまとめた 「予防接種制度の見直しについて(第二次提言)」 では, 「広く接種を促進していくことが望ましい」 7つのワクチンの1つとされ, 2013年3月の予防接種法改正の参議院附帯決議において, 「定期接種の対象とすることについて検討し, 平成二十五年(2013年)度末までに結論を得ること。」とされた。

これを受けて2013年7月の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会第3回予防接種基本方針部会において, おたふくかぜワクチンの技術的事項における論点が議論され, 「仮に広く接種をするに当たっては, より高い安全性が期待出来るワクチンの承認が前提であり, 新たなMMRワクチンの開発が望まれる」 とされた。その後厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会第5回研究開発及び生産・流通部会において, 開発優先度の高いワクチンについて議論され, MRワクチンを含む混合ワクチンが開発優先度の高いワクチンとして定められており, 2013年12月にワクチン産業協会の会員企業に対し, MRワクチンを含む混合ワクチンの開発要請を行った。現在のところ, 新たなMMRワクチンは承認されておらず, おたふくかぜは定期の予防接種の対象疾患となっていない。

おたふくかぜワクチンについて
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