第二期ムーディ・ブルースの五枚目のアルバムは、前作から9カ月後の1970年8月にリリースされた。依然、ムーディーズのアルバム制作スピードは落ちていない。 しかし1970年代とともに、ムーディ・ブルースの音楽に大きな変化が生じたことは事実である。ヘイワードの言葉によれば、『ア・クエッション・オヴ・バランス(A Question of Balance)』は、過剰なオウヴァ・ダビングを排して、ライヴ・パフォーマンス向きの楽曲制作に戻ろうとしたらしい[i]。 恐らく、レコード・セールスが上昇するとともに、コンサート・ツアーの比重が増したことが、上記の発言やレコーディングに影響しているのだろう。しかし、…