1990年代のムーディ・ブルースが進むべき道を示すはずだった『キーズ・オヴ・ザ・キングダム(Keys of the Kingdom)』(1991年)[i]は、しかし、見事にこけた。そればかりか、バンドが時代から取り残された現実を正面から突きつける結果となった。 全米チャート94位、全英54位。惨憺たる成績である。『デイズ・オヴ・フューチュア・パスト』(1967年)以降、最悪の結果で、もう笑うしかない。60年代に産声を上げ、80年代をしぶとく生き残ってきたオジサン・バンドも、ついに見限られてしまった。アーメン。 レイ・トーマスが戻って楽曲を提供し、ジョン・ロッジも一時の不調から立ち直って素晴らし…