『ア・クエッション・オヴ・バランス』から一年ぶりのアルバム『エヴリ・グッド・ボーイ・ディザーヴズ・フェイヴァ』(1971年7月)は、日本において、もっともよく知られたムーディ・ブルースのアルバムとなった。実際、唯一のヒット・アルバムといってよいだろうが、内容もさることながら、本アルバムの人気を決定づけたのはアルバム・ジャケット、そして『童夢』というアルバム・タイトルだったのではないか。 それだけ印象的なジャケットだった。髭だらけの(まるでヨーダのような)老人と人形と見間違うような少年が向かい合い、老人が吊り下げる宝石を見つめている。裏面では、こちらも石膏像にしか見えない二人の青年が一本の花とぬ…