3月にはいって、雨の日が多い。 うす灰色の雲におおわれた横長の世界は、 いつもより天と地が近づいたよう。 そんなパノラマな雨の日に、 瀬戸内の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館へ、 モナ・ハトゥムの「地図」をみに行った。 新幹線の「のぞみ」で岡山に入り、 特急に乗りかえて、瀬戸大橋を渡ること40分。 車窓からみえる瀬戸内海沿岸の、 重工業地帯に目を奪われる。 煙突から白い煙が、もくもくもく。 生活の基盤のようなもの。 東京から4時間すこしで丸亀駅に。 およそ17年ぶりに訪れた美術館の企画展は、 「RECOVERY 回復する」というコンセプトで、 7人の作家がそれぞれに、 パンデミックをのりこえて、 私…