夜も更け、思い出しかのように取り出したのはリュート音楽。リュートは自分の想像の中にしか存在しない中世ヨーロッパの世界へといざなってくれる。知的にそして穏やかに爪弾かれる弦の響き。それはしんと静かな夜を送ることが出来る、この当たり前の平和の尊さを噛みしめることにも繋がって。
まだ聴けていなかった音源を。ヤコブ・リンドベルイによる16世紀末期に作られたリュートによるバッハプログラム。その音色は非常にマイルド。ナローレンジ気味に響く音が、耳に優しく入り込む。奏でられる音のあまりもの心地よさに、途中しっかりと寝ておりました。毎度の平常運転。
15世紀末から16世紀にかけてのイタリアルネサンス期におけるリュート音楽。リンドベルイによるリュートソロが訥々とそして柔らかく奏でられる内容であり、ちょっとした心のインターミッション的に聴きたくなったので半分ほど再生。少しは何か落ち着いたかな。
暑さにやられて16時からアルコールを摂取し始めれば、そりゃぁ、もう、スコンと寝てしまうもので。目覚めると20時を回っておりました。ボンヤリとした頭で漫然と時間を潰し、なんとなくこれを再生。真剣に聴くでもなく、軽く流している程度でも、それなりに頭は復活してくるもの。リュート音楽は自分にとって様々なシチュエーションで使えるものなのであります。
未明に耳を傾けるリュートの音色。夜はしんしんと積もる雪のように深まり。