今日は休みだった。午前中はブラー『パークライフ』を聴きながらカレン・チャン『わたしの香港』を読み進める。ぼくはこの本について(あるいは香港という土地について)誤解していたのかもしれない。ぼくが期待していたのはもっと「民主化」に揺れる、催涙ガスやデモの空気に満ちた活気にあふれた香港の姿だった。でも、この本から見えてくるのはそうした香港ではない。これはもちろんこの本を腐すことにはならない。ぼくはついつい、「メディアが流布する香港」「ぼくがあらかじめ見たいと思っていた香港」の姿をこの本の中に探そうとしていたのではないか。違う、と著者なら言うだろう。ほんとうの香港とは、あるいはそこで暮らしていく生活と…