「アレクサンドル・ソルジェニーツィンの小説を読んだ人なら誰もが知っているとおり、共産主義の平等主義の理想は、日常生活のあらゆる側面を支配しようと試みる残酷な専制政治を生み出した」(『サピエンス全史』ユヴァル・ノア・ハラリ) 東京大学大学院経済学研究科教授・小野塚 知二によれば、「資本主義的な生産関係(ことに生産手段の私的所有)が、生産力の発展にそぐわなくなると、個人的所有が回復され自由な諸個人間の自覚的・目的意識的な協同性(association)が構築される社会主義(socialism)的生産様式が登場し、さらに生産力が発展すると、人類史の新しい段階に照応する新たな共同体が回復されて共産主義…