『ユージン・スミス 水俣に捧げた写真家の1100日』山口由美/著(小学館)を読んだ記録。 2013年刊。映画『MINAMATA-ミナマタ-』の日本公開の8年前。 たぶん当時は関心は今ほど集まらなかったのではないかと想像する。逆に今ほどは関心が集まっていなかった頃だったから、このようにのびのびと書けたということはありそうだ。 この本の大きな特徴は、ユージン・スミスについて書くときに、アイリーン・美緒子・スミスに取材した記録を使わなかったということにある。 もともとは著者と、ユージンの水俣時代のアシスタントだった石川武志との出会いが先にあった。「アイリーンを通さない」ユージンと水俣のビジョンが既に…