オートパイロットの発明は早い。 第二次世界大戦以前、1930年代半ばにはもう、北米大陸合衆国にて実用認可が下りている。 従来、大型旅客機は、運航に当たって最低二名の操縦士を要したが、オートパイロットを搭載してさえいるならば、一名でも構わぬと、思い切った規則改定も敢えてした。 開拓者の末裔らしさ(・・・)というべきか。新しいものをどんどん使い、採り入れる、進取の気質は流石であろう。 が、およそ人間のやることで、いいことづくめ(・・・・・・・)は有り得ない。 一利を新たに加えれば、必ず一害、どこかから湧く。物理的必然性すら垣間見える反動現象、社会の、いわば生理であった。 この場合も、やはり出た。 …