ツイ・ハーク監督の初期作品『上海ブルース(上海之夜)』を観る。最後に観たのはどうやら1991年らしいので、なんと33年振りだ。 1937年、上海。日本軍の空襲があった夜、橋の下で出会ったシュウ(シルビア・チャン)とドレミ(ケニー・ビー)。暗がりの中で出会ったふたりは、お互いの顔もわからないまま、戦争が終わったらまたここで会おうと約束をする。 それから10年。上海は終戦直後の混乱の中にあった。物価は高騰し、就職もままならない。そんなある日、キャバレーで働くシュウのもとに、田舎から出てくるなりお金をすられてしまった若い女性(サリー・イップ)が転がり込む。天真爛漫な彼女は、上の階に住む若い音楽家の卵…