SFのサブジャンル。
ヴォークト、ベスター、ディレーニィなどのような、英雄的な個人による宇宙冒険小説というスペースオペラ的要素を踏まえつつも、壮大なSF的な仕掛けと、しばしば哲学的なテーマ性を有機的に結合させた作品をいう。思弁的な70年代SFや工学的なハードSFを経由して、パルプSFの壮大な物語性をSFのなかに再生させた。
http://www.geocities.co.jp/Technopolis-Mars/1147/theme/widescreen.htm
という事で、毎年恒例のカンダブックフェスティバルに参戦したのである。早川書房と国書刊行会のブースに二時間ずつ並んだり(その間に読書が捗ったので悪くはなかった)、去年Mg氏と共に食したヒロシマ式汁なしタンタンメンを食し、飲んだ水が甘く感じる、辛さと痺れを感じ、ブックマーケット終了後には献血に参り、Hf氏に似ておる人が我輩の前におり、流石に他人の空似であろう、と呟いたりしたり。という事で、その戦利品を記していこうと 『100文字SF』(北野勇作)呟き上で流れておったものを再編集化して文庫化したもの。呟きとは趣が違うが悪くはない 『百號琴 上』(飛浩隆)気になる本であり文庫化されておったので、という…
2024/9月 国書刊行会《ジョエル・タウンズリー・ロジャーズ・コレクション》全3巻の第1回配本『止まった時計』(The Stopped Clock by Joel Townsley Rogers 1958)が発売され 法月綸太郎氏が以下のような推薦文を寄せてくれました。 【探偵役の顕現とともに眠っていた物語が覚醒し、意外すぎる犯人が名指された後もさらなる驚異が読者を翻弄する……。時間と視点を手玉に取る《叙述の曲芸師(パルプ・ジャグラー)》が技巧の限りを尽くしたワイドスクリーン走馬灯ミステリ。】 この素晴らしくも謎めいた推薦文につき 弊ブログ子が調べた限りを以下に記します。まず版元からの伝聞に…
あらすじ 主人公は気弱でうだつが上がらない服屋、ペデル。頼りなさの権化のような彼だが、タイトルにもなっている「聖衣」こと「フラショナル・スーツ」を着ると、魅力的で人を惹きつけてやまない人間になり、女性を口説くのもビジネスで成功するのも思いのままになる。
カエアンの聖衣〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF) 作者:バリントン J ベイリー 早川書房 Amazon 10代の頃に読んで、いずれ読み直したいなーと思っていた作品を、SFマガジンがファッションSF特集やるというので読む。なおamazonが出してるのは大森望による新訳版だけど、今回読んだのは冬川亘訳の旧版。 元祖ファッションSF、ですねえ。人は見た目が9割というけれど、見た目を構成する大部分は実は衣服で、衣服が人を作るとはどういうことなのか、をSF的に描いたワイドスクリーンバロックか。冒頭から超音波を発する恐竜が生息している惑星とか、大気中に蠅が密集している惑星とかおよそワンダーなセンスの宇宙が…
永却回帰 (創元推理文庫 697-2) 作者:バリントン・J. ベイリー 東京創元社 Amazon 大宇宙を舞台に暴れ回るワイドスクリーンバロックは、ぶっ飛んでいるほど楽しい。仕事に忙殺されて現実逃避したくて昼休みにちびちび読んでいたので、あらすじも不確かでしたが、コロネード哲学をマスターしたコロネーダーであるシップキーパー(宇宙船管理者)のボアズが主人公。『スター・ウォーズ』のジュダイとジュダイマスターみたいな感じ? 舞台設定のユニバースは、何度も同じ時間を繰り返すループ宇宙で、ボアズはある事故に巻き込まれて身を焼かれる大変な苦痛を味わっており、ループ宇宙が続く限り同じ苦痛時間を繰り返すこと…
竹書房文庫です。 オールディスが、最初に「ワイドスクリーンバロック」という術語を発明して絶賛したアメリカSF。 大昔から翻訳が待たれていましたが、ついに実現したのが2019年。そこから既に5年も経ってようやく読みました。p177 十個の惑星をしたがえた太陽が、輝く三次元の映像となって眼前に飛びだした。ケルベロス-発見されたばかりの冥王星のかなたにある惑星-は一マイル近く離れており、かろうじて見えるだけだ。p293 ステーションは完全に太陽に埋没しているにちがいない。四周で放射熱が一様になっているのがその証拠だ。それでも、あいかわらず太陽黒点過流のなかにいる。はるかに低温の対流がステーションを洗…
『アンノウン・マザーグース』はイントロがない曲だが、だからと言ってライブで突然曲が始まる、ということはなくて「wowakaより愛を込めて!」という口上から始まるのがお決まりになっていて、だからこの動画においても、その口上がないと物足りないなと思いながら見始めたらちゃんと叫んでくれて、なんというか、こういう場だからと綺麗に飾り立てることのない、荒々しいヒトリエの演奏がただただそのままそこにあって、高速詠唱に口が回らないこともあるのもわりといつものことで、まぁそれはwowakaもそうだったわけで。なんかすごくFIRST TAKE。THE FIRST TAKEで見たかったのってこういう演奏だったんだ…
ボンズ制作の「メタリックルージュ」、第1話が暗めのお話でしたので、第2話以降は録画だけしておりましたが、本日イッキ見しました。あれは!!凄くイイですね~!!! ヒロインのルジュの戦闘フォームのデザインがちょっとおっかない系ではございますが、アクションが女性的で実に良いんですよ!! お話も陰謀裏切り入り乱れいたり、女性二人のバディ物として軽妙なやり取りがあったり、日常と宇宙と超科学が入り乱れるワイドスクリーンバロックSF風だったり(私は「虎よ、虎よ!」や「量子怪盗」的な印象を受けました)で、大変良かったです!! ただ、お話の引きが変な回があったので、まとめて見たのは正解だったと思いました。
以下、日記です(12万8千字くらい) 1クール分の日記は文量オーバーで半分にしたらそれでもオーバーしたのでひと月ずつの投稿です。大半は一度UPしたものですが結構書き足しもあります(7万字くらい)。そのなかでのハイライトは…… ・『Dead Tech』原著が言いたいことは『廃墟大全』で言及された価値観とたぶん逆なのでは? ・『戦災殃死者改葬事業始末記』すごい。 ・「生きて帰ってこい」と手紙に口にと特攻隊に言う家族は最低でも4組はいる。 ・記録・日記にでてくる立小便の頻度解析で東京の焼跡・復興度合いが調べられないか? ノーベル文学賞受賞の立小便。夢声が見た便所の中という国家安泰とその破綻。 ※話題…
「Ghostyard」-ウ山あまね(曲) 「君のことだけがいつも気がかり」って歌詞めっちゃいいなと思う。 「気がかり」ってかなり独特なニュアンスの言葉で、自分が誰かにとって気がかりな存在になれたら幸せだと思う。 Ghostyard - Single ウ山あまね エレクトロニック ¥255 music.apple.com 「口の花火」-長谷川白紙(曲) 全ての生き物のための盆踊りみたいな曲。長谷川白紙って本当に創造主みたいな感じする。 2024年はアルバムも出してくれると嬉しい…そろそろ出るんじゃないか…!? Mouth Flash (Kuchinohanabi) - Single 長谷川白紙 …
地球に磔にされた男(2017年、日本、監督:山田寛一、100分) 素晴らしい。時間SFの中でもかなり変わり種で理論はタイムトラベルだけどやっていることはパラレルワールドの移動で、落着はタイムリープものに近い。すげえや、時間ものの新機軸だ! 怠惰な男が非日常的な体験を経て成長して穏当な環境に落ち着くというのはベタだけど素晴らしい。印象深いラストシーンは当時の時世をこれ以上ないほどうまく活かしている。同様の題材なら『Letter to you 〜想いは時を越えて〜』を思い出すけど、フィクション係数を別の方向に振っていて興味深い。 やっぱり実相寺が群を抜いて魅力的。登場機会はかなり少ないんだけど忘れ…