1939年京城生まれ。深夜叢書社代表、俳人、法政大学文学部講師。 高校時代に句作を開始、「氷海」主宰の秋元不死男に師事。第8回氷海賞を受ける。1963年深夜叢書社を設立。出版・編集のかたわら、評論、随筆、小説などを執筆。著書に句集「夏への扉」「秋庭歌」「冬の智慧」「春の羇旅」、随筆「生と死の歳時記」(共著)、「読書という迷宮」、「偏愛的名曲事典」、「二十世紀名句手帖」(全8巻)ほか多数。
毎年、備忘録的に書き残しているものですが、2023年に亡くなった方々を、列記しておきます。中には、2023年に死去されていたことが分かった方々もいらっしゃいますが。あくまでも、個人的に少しでも心に引っかかった人を列挙しています。著名人でも含まれていない方はいますので、その点は悪しからず。いつもは年末に更新してきたのですが、今年は間に合わず、年を越してしまいました。もしも、万が一、期待して待っていた方が、万万が一いらっしゃったとしたら(くどい)、ごめんなさいでした。 2021年 9月21日、白鳥みづえさん、歌手、77歳。 2022年 1月18日、小田久郎(おだ・きゅうろう)さん、詩人/「思潮社」…
1993年9月10日第1刷 2013年7月5日第28刷 裏表紙「夏王桀に妹嬉をささげることで有莘氏の危機を救った伊尹は、桀のライバルとして台頭してきた商の湯王から三顧の礼を受け、湯王の臣となる。伊尹の狙いは夏と商の和親だったが、時代の流れはこれを許さず、ついに夏と商は激突し夏王朝は滅亡する。湯王は商王朝を開くが、伊尹の仕事はまだ終りではなかった。解説・齋藤愼爾」 摯が有莘に戻ったとの知らせを聞いた湯は、三顧の礼をとって摯を迎えた。摯は、湯の器量が桀より大きく、湯も摯に民を慈しむ心があることを知った。商が疲弊し切っていることを夏が知っていれば和睦は難しかったが、夏は知らなかった。摯は朝貢の使者と…
一年に一度の特選古書展と青空古本まつりである。 金曜の初日、開場5分前くらいに到着。あきつ、かわほり、魚山堂などなどじっくり見ていく。これはどうしようかと散々逡巡したものがあったが、結局買ってしまった。 「一葉全集」(博文館)明治30年1月7日初版裏表紙と口絵欠600円 若松しづ訳「小公子」(博文館)明治44年11月20日21版500円 先日表紙裏表紙と口絵欠の「一葉全集」を買ったけれども、今回のは口絵欠。本文も一ページ分コピーで補われていた。とはいえ、これで初版1冊分の資料が揃う。「小公子」は明治期の翻訳事情を伝える1冊として資料用に購入。 村上浪六「草枕」(青木嵩山堂)明治30年4月25日…
『水原紫苑の世界』齋藤愼爾編集統括(深夜叢書社2021)より抜粋 * * * * * * * * * * 『びあんか』 菜の花の黄溢れたりゆふぐれの素焼の壺に処女のからだに 殺してもしづかに堪ふる石たちの中へ中へと赤蜻蛉 ゆけ 宥されてわれは生みたし 硝子・貝・時計のやうに響きあふ子ら 『うたうら』 鐘鳴らむ一瞬まへの真空にきりんは美しき首さし入れつ おそろしき夢のひとつに白萩の直立 もはやあなたが見えぬ 『客人』 こぼれたるミルクをしんとぬぐふとき天上天下花野なるべし 『くわんおん』 「くわんおんはわれのごとくにうるはし」と夢に告げ来し百済びとあはれ 『世阿弥の墓』 〈白鳥、花をふふむ〉一瞬…