画像出典:日本建総イメージです わたしの故郷の隣家は村一番の素封家でした。わたしが幼いころから、何かにつけてお金には圧倒的に優越していて、当時の我が家は、その権勢に半ば恐れ半ば嫉みを持ち続けていました。そして、それはわたしが社会に出て働き始める頃に至っても少しも揺るぎないものでした。 働き始めて十数年の後、隣家の長男の嫁が、息子の高校の登校に遅れたのを送るために載せて走らせた車は、センターラインをオーバーして対向車の大型トラックと正面衝突。二人は帰らぬ人となった。 その頃から、隣家の様子に変化が出るようになりました。父親は塞ぎこむようになり、妻を失った息子は、妻の多額の生命保険を手にして、放蕩…