「一文字菊(いちもんじぎく)」は、長く幅広い花びらが円形に平たく広がって咲きます。皇室の「菊のご紋章」に似ていることから、「ご紋章菊」の別名もあります。「細管」以上に花びらが重力に負けてしまうため、輪台が欠かせません。 皿のように支える輪台が必要になる「一文字菊」 市川葛飾八幡宮 花びらの数は16枚が理想とされるようですが、皇室の紋章が「十六弁八重表菊紋」であることから、そこに手本を置いているのでしょうか。 余談ですが、「一文字菊」を入れ替えると「菊一文字」となります。菊を愛した後鳥羽上皇が自身の創った刀に「菊」の名前をつけたことは先に述べました。上皇は全国から刀工を召し出されましたが、その筆…