今月末に政府がまとめる経済対策では、介護従事者の処遇改善に、現場のみならず社会全体の注目が集まっています。一部報道で「月6000円アップ」という数字も出る中、本当にそのレベルにとどまるのか。どのレベルであれば、危機的な人材不足解決へ道筋が開けるのか。さまざまな視点で掘り下げます。 平均賃金、全産業との溝はまだまだ大きい 改めて厚労省の賃金構造基本統計調査を見ると、2022年の全産業の月あたり平均賃金(時間外勤務手当等の超過労働給与額を除く)は、31万1,800円です。急速な物価上昇にともない、この平均賃金も対前年比で1.4%増と2015年以来の伸びとなっています。 対して、介護従事者については…