(1889-1917) 長崎県壱岐生まれ。マラルメやランボー、ヴェルハーレンなど19世紀末フランス象徴詩に傾倒し、1914年、その影響の集大成である「生活表」は到達点を示し、口語散文詩の先駆といわれた。犬吠埼の別荘で避暑中、君ヶ浜で遊泳中、自由詩社仲間の今井白楊が溺れるのを救おうとして共に溺死。夭逝の為残されてた作品数が少なく隠れた存在となったが、北原白秋、西条八十、大手拓次などの同時代の著名な詩人に優るとも劣らない。
これは古本屋で偶然に入手し、その「序」を読むまで知らなかったのだが、堀口大学訳詩集『空しき花束』は『月下の一群』の続編として刊行されていたのである。それは大正十五年十一月で、前年九月の『月下の一群』に続く訳詩集であることからすれば、当然のように思われがちだけれど、手元にある。だが『月下の一群』(講談社文庫、平成八年)所収の堀口大学の「年譜」(作製・柳沢通博)を見ても、『空しき花束』出版の記載はない。やはり多大な影響を及ぼした名訳詩集『月下の一群』の背景にあって、埋もれてしまった気配が感じられる。 しかし『空しき花束』にしても、判型は『月下の一群』と異なる四六判でありながら、紛れもない第一書房の…
内田百閒著、新潮文庫版『第一阿房列車』『第二阿房列車』『第三阿房列車』のまとめ。 登場人物一覧 『第一阿房列車』 特別阿房列車 区間阿房列車 鹿児島阿房列車 東北温泉阿房列車 奥羽本線阿房列車 『第二阿房列車』 雪中新潟阿房列車 雪解横手阿房列車 春光山陽特別阿房列車 雷九州阿房列車 『第三阿房列車』 長崎の鴉 長崎阿房列車 房総鼻眼鏡 房総阿房列車 (1日目) (2日目) (3日目) 隧道の白百合 四国阿房列車 菅田庵の狐 松江阿房列車 時雨の清見潟 興津阿房列車 登場人物一覧 ヒマラヤ山系君 =平山三郎。国鉄の雑誌編集者 交趾君 見送亭夢袋氏 =中村武志。国鉄職員 垂逸君 何樫君 甘木君 …