江蘇省、広陵県に朱某という人がいた。 男は若いときに腹に毒がたまる奇病にかかり、手を尽くしたがどうしても治し方が分からない。ある時、睢山(すいざん)に阮丘という道士の噂を聞きつけ、何とかならないかと頼み込んだ。 道士は不憫に思い、三尸の虫を取り除ければ治る。それどころか仙人となって長生きできるというではないか。 三尸の虫は上尸、中尸、小尸のこと。小さな子どもや牛の姿をしている。 人間が生まれた時から体内に居て、庚申の日の夜になると寝ている間に天に上るやいなや、その人が行っていた悪事を包み隠さず神様に申告するという。 そしてそれを聞いた神様は、罪に応じて寿命を削るのだそうだ。 この虫を取り除くと…