だいぶ前に太田心海『自叙で綴る梅原真隆の生涯』(『梅原真隆の生涯』刊行会、平成25年7月)だったと思うが、次のような一節を読んだ。梅原が大正14年6月に創刊した個人雑誌『道』に掲載された書簡に関する記述である。 便りの発信人の中には、もちろん彼の講話を直接聞いたり、長い交際のある人も多いが、中には珍しい人の例も載せられている。例えば、熊本の阿蘇山の麓でキリスト教の牧師をしている三浦清一という人である。梅原の『晩年の親鸞聖人』という本を読んで大きな感銘を受けた喜びを述べ、感謝の意を表するものである。ちなみにその三浦牧師は、夫人の父が詩人石川啄木の弟だとのことである。 調べてみると、正しくは三浦牧…